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鏡~2 津留晃一の世界

2020年9月14日

もし100%自分は完全であると思い込んでいるとしたら、どうして「自分は否定されたのかもしれない」と思えるでしょうか。
「自分には克服すべき欠点がある」という想念が100%消えている人は、他人から「こうした方がいいのじゃない」と言われても、単に「そうかもしれない」と即座に人の意見に対応することが出来ます。
自分がこのままでいいと考えている人は、当然、人もそのままでいいと考えます。
ですから否定という概念が存在できなくなってきます。
そんな人は「否定された」という判断の出来ない人になってしまいます。
人から馬鹿にされたように感じたり、否定されたような感じを受けてしまうのは、その人自身の「自分の欠点を直そう」という思いの反映です。
「欠点を直さねば」という思いを持っている人は、人が単に自分の意見を主張したとき、自分が否定されたように感じてしまうのです。
相手には全くあなたを否定する意志がなかったとしてもです。
「私を否定できるのは私だけ」。
あなたが否定されたと感じたり、人から拒否されたと感じる時、即座にこの言葉を思い出して下さい。
そして「私のどんな考え方が、自分にふさわしくないこの現実を映し出したのか」と自分の内面を見つめて下さい。
このムッとする感情は、単に起きているだけだ。
自分の想念が鏡として映し出されているだけだ。
そして「私はまだ自分には克服すべき欠点がある
と思い込んでいるのかもしれない」という点に注目してみて下さい。
確かにあなたの想念が現実を創ります。
だから欲しくない現実が現れたからといって自分には良くないところがある」
という結論を出す必要など全くありません。
こんな風に思考が流れてしまう事に我々は普段疑問さえ感じません。
二極的思考の流れをチェックして下さい。
もう少し自分の思考のパターンを見張って下さい。
何か好ましくない現実に出会う度に、あなたは自分自身を否定してはいませんか。
今、下したあなたの否定的判断は、あなたの宇宙という鏡を通して、またあなたの元へ返ってきます。
あなたが他人から否定されるという形をとって。
自分で自分を否定しているという事実に気づいていないあなたはどうして私はあなたから否定されなければいけないの」と否定してきた相手を憎みます。
その方が鏡であるということをすぐに忘れてしまいます。
自分の発した想念を見張ってないからです。
「肉体に不調が現れるのは、想念に不調和があるからだ」という話はもちろん真理です。
だからといって、今、自分の肉体に具合の悪いところがあるのは自分のいたらなさのせいであると自分自身を否定する必要性がどうしてあるのでしょうか。
そんな二極的発想は全く不必要です。今あなたの肉体のどこかに痛みがあるとしたら、それはあなた自身が過去のどこかの時点で発した思いの結果です。
それはあなたが発した思いの実です。
「ああ、痛みが実った実った」とただ見ていればいいだけです。
あなたが朝顔の種をまいてその花が咲いたときはどうしますか、「自分のせいでこんな事になった」などとは思わず、「ああ、咲いた咲いたと見ているでしょう。
我々が丹誠を込めて創り上げた成果、それはいつの間にか消えていきます。
それが定めであることは百も承知しているはずです。
ですから今ここにある苦痛も、いつの間にか消えてしまうわけです。
我々の創り出す成果、それはプラスであれマイナスであれ、時の流れと共にいつの間にか消え失せます。
そんな変わりゆくものに意識を止める必要はありません。
我々にとって必要なものは、 変わりゆく現実にはなく、永遠である我々自身のありようです。
永遠に続く「自分」という存在にだけフォーカスしてみてはどうでしょう。
「このままで良いのだったら、進歩しないではないですか」という疑問がわいてくるものです。
そうなのです。
あなたは「進歩しなければいけない」という考え方によって今の自分を裁きます。
それこそが、今、この瞬間の自分を否定している最大の証拠です。「進歩しなければ」という発想こそ根元的自己否定です。
その発想は「いたらない自分がいる」という考えをベースにした思考です。
根底にいたらない自分の存在を認めています。
全てはそこから始まります。
そのあなた自己否定によって、今のあなたの宇宙は構成されています。
全ての現実はその自己否定から始まっている事に気づいて下さい。
まずいたらない自分がいて、その不完全な自分を修復していくというのがこれまでの生き方でした。
あなたはどんなに努力して自分を修復しようとしても、その根底の所で自分のいたらなさを認め続けているわけですから、永遠に進歩ゲームは続いていくわけです。
あなたは、自分を修復させようと想念を発する度に、いたらない自分をもう片方の手で創造し続けているのです。
でも、今あなたがうまくいっていないのは、あなたの過去に出した想念に依っています。
今、目の前にある現実は、全て過去のあなた自身の想念によって創造されたものです。
ですからそんな状態を気にすることはありません。
あなた方の気をつけることは今のあなたの想念です。
今、自分をだめだと思ってはいませんか。
「私には否定すべき何物も存在しない」という言葉を思い出して下さい。
今、出す想念であなたの未来が決まります。
今ここに否定的感情があるとしたら、ただ黙ってそこにいて、今の自分を感じてあげて下さい。
自分の想念の一瞬一瞬を見張って下さい。
あなたのする事はそれだけです。
その現実には対処しないで下さい。
そうしたらもうそれ以上事態が悪くなる事はありません。
今、既にあなたの過去に出した否定的想念が実っている わけですから、その実った現実はいつか消えていきます。
「でもそんなふうに思えない」とあなたの自我が言ってきたら、そう言っている人を無視するのではなく、すぐにその人に意識を向けてあげて下さい。
「本当にそうだよね」と、その人の言い分をわかってあげて下さい。
あなたの中のそんなふうには思えない部分さんも、あなた自身がわかってあげさえすれば、必ず安心して静かになります。
私達の思考は、絶えず今ある現状を判断しようとします。
今、目の前に展開している映像を、自分にとって都合のいいことか、不都合な現実であるかを。
そうして不都合な現実に対処していく。
これが生活になっています。
しかしあなたの判断は、 過去のあなたの価値観というモノサシによって初めて可能になります。
今あなたの下した判断は、あなたの過去の考え方に基づいています。
そして判断した結果未来に対処します。
すなわち判断は、過去のあなたを未来に投影してしまうわけです。
実は人間の判断という行為によって、過去が未来に受け渡され、直線的時間というものが創造され続けているわけです。
判断してそれに対処していく生活とは、過去と未来に生きる人生です。
今、ここ、という最高にエネルギーに満たされた瞬間を、過去のこだわりと、
未来の不安に対処するという人生に浪費し続けます。
判断する生活が、あなたを今この至福の瞬間から遠ざけています。あなたは判断するという行為を通じて、今、ここ、という宇宙とつながっている状態から自分自身を切り離しています。
判断するという行為を通してあなたは自分自身のパワーを失い続けました。
「自分には力がない」という妄想を信じるに至りました。
どうか勇気を持って判断する生活から離れてみて下さい。ただそこにいて、今を生きて下さい。

~津留晃一の世界より


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